タイの解雇金調停 ①

解雇金調停に労働裁判所に行ってきました。

近頃はタイ人従業員も知識が増えてきたのか労働裁判に至るケースが増えていますね。

労働裁判所とは、解雇金や労働条件などについて争いがある場合に無料で利用できる裁判所です。

私は撤退支援やM&Aにまつわる雑事を一手に引き受けるため、一時的に買収側の社長(サイン権者)に就任することがあります。

これでお客様は営業に集中することが出来、解雇金交渉や各種契約の解約等の後ろ向きの雑事から解放されます。

その中でも最も大変なのが従業員との解雇金の交渉であり、今回はその話し合いとして労働裁判所から出頭命令があったのです。

労働裁判は本来は弁護士が代わりに出頭してくれますので、社長など法人側の人間に出頭義務はありません。

しかし、弁護士だけに一任してしまうと弁護士の思い違いなどで話の流れが大きく傾くことがありますので注意が必要です。→労働裁判所 弁護士に任せっきりは危険

弁護士はあくまで外部の人間ですし、あくまでタイ人であることを忘れてはいけません。

そこで私が社長として弁護士と裁判に赴き、元従業員16人と話をしてきました。

話といいましても労働裁判の調停の場では話し合う内容が限定され、話が脱線しそうになると即座に修正されます。

今回のケースでいえば「解雇金」以外の話、例えば、役職がどうとか個人的なコミッションの話などはスッパリ無視されます。

調停員は弁護士資格をもつ厳格な方で、社内の話し合いでは紛糾しがちな交渉の場を見事に取りまとめてくれます。

タイ人元従業員達は労働裁判所に訴えさえすれば自分達の言い分がすんなり通ると思っていたのでしょう。

弁護士も私も一切妥協しない上に有利な証拠書類を完璧にそろえておりましたので、1時間2時間と経つにつれ次第に顔色が曇ってきました。

通常、労働裁判の調停といえばタイ人労働者のためのものですので、我々のような雇い主側、特に外資企業には不利な流れになることがほとんどです。

私は100件以上このような現場に立ち会っていますがほぼ100%の確立で裁判所はタイ人側の味方をします。

そこで勝つために重要になるのが減額の根拠となる書類などの証拠集めです。

これは後に通常の裁判(労働裁判第2審)に移行したあとでも必要になりますし、先に出しておく方が交渉上有利に進みます。→つづく